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2018/08/26

アカテガニ放仔観察2018年まとめ

一年とは夏のアカテガニ放仔観察のためにある…はさすがに言いすぎだけど(当たり前)、夏はアカテガニ放仔観察が出来る季節には違いない…という訳で今年の夏のアカテガニ放仔観察まとめです。

【7月14日】アカテガニにとって理想的環境で数も多いと以前書いた三重県伊勢市の神前神社裏の神前海岸。この時は干潮時刻だったので広い浜が現れていましたが、アカテガニが放仔する時刻は満潮に近い時間なので、ぐっと浜は狭くなっていました。実は2016年、この日と同じ日にもここでアカテガニ放仔観察を試みたんですが、季節的に遅すぎたようで、日没近くなってもアカテガニが全く現れませんでした。今回はベストシーズンの7月中旬。なので予想通りたくさんの♀アカテガニと、それを待ち受ける♂アカテガニが大量に現れました。

アカテガニの数は確かに多いんですが、やや波が荒く、こちらにとってもアカテガニ♀にとっても不意に波が打ち寄せて、アカテガニ♀が波に飲まれてしまったり、ゾエア幼生が煙上にぶわっと広まる様子などはやや観察しにくい環境でした。なんとか放仔するタイミングを動画に収めたいと思って何度か挑戦してみましたが、こんな出来の動画が精一杯でした。

♂アカテガニに捕まる♀アカテガニ120180714
↑↓シーズン始め頃とあって、放仔後♂に捕まり交接するアカテガニが多数見受けられました。
♂アカテガニに捕まる♀アカテガニ220180714



二見の花火20180714
↑この日は二見浦辺りで花火大会があった模様。空を見上げれば花火、足元を見るとアカテガニが放仔という状態だった訳です。

【7月28日】この日は『のと海洋ふれいあセンター』が九十九湾で開催する『ヤドカリ学級 アカテガニウォッチング!』に参加する予定でしたが、なんと台風接近により中止!その翌日開催予定だった小網代の森でのアカテガニ放仔観察会も同じ理由で中止になったとの由。『アカテガニの森づくり』の話などガイドの人から聞いたりしたかったので、至極残念。

【8月12日】三重県津市河芸町の海岸。この辺りはアカテガニが多いとは情報では知っていましたが、アカテガニが活動する時間・季節に訪れたのは初めてで、『まさかこれほどとは』と言いたくなる数のアカテガニが主に堤防の上にいました。成体のアカテガニだけでなく、今年7月初め頃生まれたと思われる小さなアカテガニも多数見られました。

懐中電灯で堤防の上にいるアカテガニを照らして観察していたら、通りがかった地元の人に『カニの研究をしているんですか?』と声を掛けられました。『いやー、研究というほどでも』などと会話しながら暫く堤防沿いに一緒に歩いている時、その堤防沿いの道にはアカテガニがうじゃうじゃと現れて気持ち悪い(それ故にこの道路を走る車に踏み潰されるアカテガニが少なからずいて(夜間はあまり通行量は多くはないですが)、この日も潰されたアカテガニを少なからず見かけました)、しかし今年は雨が少ないせいかやや少ないと地元の人ならではのお話を伺う事が出来ました。アカテガニが近くにいる環境っていいな、と思っていましたが、韓国の件といい、この辺りといい、アカテガニは地域住民にはあまり愛されていない模様。

カニの研究つながりで、この辺りにお住まいのカニの在野の研究科・Sさんの事を訊いてみたら、ご存知でした(地元ではあの方はカニ研究家として有名なようだ)。

堤防上のアカテガニ20180812
↑この辺りの堤防の上は夕方になるとアカテガニだらけに。それを写真で表現するのは結構難しいけど(この写真は日没前の夕方撮影)。

で、肝心の放仔観察ですが、以前ここを訪れた時、放仔観察ポイントとして目を付けていた辺り(コンクリートで護岸されていて(ゆえに長靴不要)、階段で降りる事が出来る)で待ち構えていたら、♀アカテガニが一尾(でいいのか?単位として)が下りてきて、水際へ。『え?日没前なのに?!』と思っていたら、一旦戻って、殆ど動かなくなってしまった。そして日没後、そのカニは再び動き出し、先ほどとは少し違うポイントへ移動。『お!やるな!』と思いながら観察していると、見事にやってくれました。波がなく、ゾエア幼生が煙状に広がる様子がばっちりと、それも至近距離で見る事が出来て、今までで最高の放仔観察になりました。が、後が続かない。堤防上のアカテガニの♀の多くが既に放仔済みなのか抱卵していないアカテガニ♀が少なくなく、抱卵しているアカテガニ♀も堤防上に数個体いたものの、なぜか水際まで下りてこようとしない。&ohがいたから?いやいや、その程度の理由ではないはず。この辺り、アカテガニも相当多いですが、アシハラガニとクロベンケイもかなり多く、水際辺りにアシハラガニが少なからずいて、アカテガニにとってはそれが心理的に嫌なのかもしれない。今は絶版になっている某カニ図鑑にも放仔にやってきたアカテガニ♀を襲うイワガニの写真が載っていたし、アシハラガニがアカテガニを襲わないとは言い切れない。ほぼアカテガニしかいない神前海岸とは違う意味で条件がよろしくはないかな?季節的にはベストシーズンはちょっと過ぎていたけど、それでもそんなに遅くはないはずだけどな…?

今回この辺りまで初めて電車で行きましたが、少なくとも自分が車で行く事によって轢かれるアカテガニはいないので、そういう意味で電車で行くのはいいと思います。駅からそんなに遠くないし、電車の本数も少なくないし。

アカテガニ放仔現場20180812
↑『最高の放仔』が見られた辺り。動画もきっとばっちり撮れただろうけど、まさかあれっきりだとは思わなかったし、動画撮影よりも観察に集中したくなるし。
放仔を終えたアカテガニ20180812
↑『最高の放仔』を見せてくれたアカテガニ♀。放仔後の画像に意味があるんだろうか?(^_^;)

この日も近く(鈴鹿辺り?)で花火大会があった模様(こちらの画像はないけど)。花火大会だけでなく、このポイントのすぐ近くの民家でも花火を打ち上げていて、火薬臭が漂っていました。夏の夜は打ち上げ花火とアカテガニ放仔観察だね!(ん?)

【8月25日】
去年も参加した大阪南港野鳥園『夜のアカテガニ観察会』に今年も参加しました。本当なら&ohみたいなのより、より多くの人にアカテガニを見てもらうために自分は遠慮して一人分枠を空けた方がいいのかも…と思いましたが、『行きたい。参加したい』という気持ちの方が勝ってしまいました。

今年の観察会の前に下見をした講師の和田太一さんが、撮影したアカテガニの群れの中に一尾だけベンケイガニが写り込んでいたとかで、もし捕獲出来たら大阪南港野鳥園初記録らしくて、『アカテガニ観察会』でベンケイガニを血眼になって探すという皮肉な事態に(^_^;)(ベンケイガニは何故か大阪湾湾奥では数が少ないそうです)

“持っている”小学生男児が捕獲して、めでたく大阪南港野鳥園初記録になりました。

南港野鳥園のベンケイガニ120180825
↑↓こちらがその初記録のベンケイガニ。
南港野鳥園のベンケイガニ220180825

で、肝心の放仔観察の方は、今年は去年と違って今年はゼロ、不発でした。『見た人は見た』らしいんですが。水際まで抱卵したアカテガニ♀が来ていて、『行くか?行きそう!』な状態は見たんですが…。

アカテガニ缶バッジ20180826
観察会参加記念グッズの缶バッジとシール。
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2018/08/18

アカテガニは韓国では『泥棒蟹』

通りすがりで見かけたFacebookで韓国のラムサール条約登録湿地・順天(スンチョン)湾の写真で、アカテガニとムツゴロウの解説が書かれたものがあって、それを見てアカテガニの韓国名は『도둑게』だと知りました。

で、도둑を翻訳サイトで調べてみると、『泥棒』と出てくる。ん?泥棒?

翻訳サイト

そこで、韓国語⇔日本語の翻訳や通訳が出来る方に問い合わせてみると、やはり『泥棒』で間違っていないそう。そして、同じ方から順天のFacebookで見かけた画像とは別の画像ですが同じ解説板の画像をお借りしました。そしてアカテガニに関して『海の近くの民家の台所に入り、食べ物を盗むので泥棒ガニ』と書いてある、とご教示いただけました。

sunchon加工
↑こちらがそのお借りした画像。左がアカテガニ。右はムツゴロウ。

アカテガニと言えばあの特徴的な赤い大きな鋏に因んだ名前が付けられると思っていましたが、ところ変われば、全然違う名前が付けられるんだな…と文化の違いを実感しました。そしてアカテガニが民家に入り込んで食べ物を盗んでいく姿をイメージしたら、ちょっと可笑しかったです。

20180713.jpg

アカテガニ韓国語20180818
『도둑게』で画像検索すると、見た事がないアカテガニの画像がわんさかと。
2018/06/09

アオサギが城山のアカテガニを滅ぼす?

写真を撮ってから二週間も放置してしまった(撮影日は2018年5月26日)。

徳島県徳島市のJR徳島駅裏にある徳島中央公園。ここは県庁所在地の市にある県下最大のターミナル駅から徒歩で行ける距離でありながら、アカテガニが多数棲息するという珍しい場所ですが、それを可能にしているのは、放仔が出来る汽水の川(助任川)がすぐ近くを流れていて、成体のカニが暮らすのに欠かせない木々が生い茂った山(城山)と脱皮に必要な水源(公園内にある小川)とアカテガニが暮らすのに必要な環境が揃っているからこそですが、最近、城山にアオサギがコロニーを作るようになり、木々が大量に枯れているそうです(徳島新聞記事)。

知ったのは最近ではないし、アオサギのコロニーも見た事はありましたが、アカテガニが活動する季節に改めて行ってみると…臭う。アオサギの糞の臭いか、アオサギが捨てた食べかけの獲物が腐った臭いかあるいはそれらが混ざった臭いかとにかく臭う。そしてアオサギの鳴き声がかなり聞こえてくる。コロニーの写真を撮った後、日没後に改めて来てみてもやはり鳴き声は聞こえていました。

近隣住民の声として、阿部珈琲館の方にアオサギについて伺ってみると、『臭いしうるさいから行政に訴えているけど、行政としてもどうにもならないと言っている』との事でした。

南方熊楠が頑張って天然記念物に指定された和歌山県田辺市の神島(かしま)では一時カワウが大量に棲み着いて、糞害によって神島の森の木々が大量に枯れるという事態が発生したそうですが、そちらは爆音機を使ってカワウを追い払ったそうですが、無人島でしかも無許可上陸禁止の神島と違ってこちらは近隣に人が住んでいるので、爆音機も使えないしなぁ…。

アオサギコロニー20180526
↑アオサギのコロニーをズーム撮影。
城山の海蝕痕20180526
↑アオサギのコロニーはこの看板のある辺りから撮りました。
アオサギに食べられた?ザリガニ20180526
↑アオサギに食いちぎられた?ザリガニの亡骸。美しい物ではないので一応モザイクかけました。
餌?20180526
↑もしかして誰かがアオサギに餌を与えている?!17:33:30に撮影した時はこのように餌がありましたが…
餌が無くなった岩20180526
↑20:44:26にはもう無くなっていました。カラスがこの餌を咥えて飛んでいくのを目撃しましたが、全てカラスが食べたという訳ではあるまい。もし誰かが故意にアオサギに餌を与えているとしたら、そりゃアオサギが増える(殖える)わな。
アカテガニ脱皮殻20180526
↑公園内の小川で見かけたアカテガニの脱皮殻。これ以外にもいくつか見かけました。
踏みつぶされた?アカテガニ20180526
↑これは…故意に踏みつぶされたアカテガニ?美しくはないのでモザイクかけました。
ホルトノキ20180526
↑小川の近くのホルトノキ。この公園内のホルトノキは枯死している木多数らしいけど、アオサギのコロニーの近くにはホルトノキはあまりないらしい。

日没後、改めて生きたアカテガニを探すべく公園を再訪すると、小川の近くで幾らか見られました。上三枚(一枚目と二枚目は同一個体だけど)の画像のカニはかなり大きくて立派でした。まだ放仔シーズンには早いので、2016年7月訪問した時のように助任川近くの遊歩道では見られませんでした。

アカテガニ1-120180526

アカテガニ1-220180526

アカテガニ220180526
↑画像上三枚、かなり大物の個体がいました。一番上の画像のカニと二番目は同一個体…だったと思う。
アカテガニ320180526
↑思っていたよりピントが合っていなかった…。これは♀?(確認していない)
地上を歩いて移動するザリガニ20180526
↑アカテガニを探している最中、地上を歩いて移動するアメリカザリガニに出会ってちょっとびっくり。日没後に来るとやはり日中には見られない生物の行動が見られるのだなぁ、と感心。

アオサギの糞害によって城山が禿山になるほど木々が枯れて、アカテガニが滅ぼされるという事態がすぐに起きないとは思うけど、一抹の不安は感じます。徳島県ではアカテガニが準絶滅危惧種に指定されているそうですし。