2017/11/05

神前神社はアカテガニとサワガニが共存する森だった

2017年11月4日、この時以来久しぶりに三重県伊勢市の神前神社に行ってきました。目的は、前回は夏の暑い盛りなので当然アカテガニが活動中でしたが、晩秋11月はまだ活動中か?それとももう冬眠済みか?の確認のためです。

この記事のカテゴリーはアカテガニにしてありますが、神社の話も結構書いてあるので、鎮守の森・磐坐信仰・神社でもあるし、サワガニの話もあるので、その他水のいきものでもあります。

ところでここ神前神社はアカテガニの棲息数がかなり多いですが、その理由は

①山林の中なので木々が多く、空気中の湿度が維持されている。
②海岸と山林が道路など人工物で全く分断されていない。
③脱皮する時必要な淡水(小川)がある。
④石の階段の隙間が隠れ家として好適。

…という具合に、アカテガニ好みの条件が全て揃っているからでしょう。

かつて南方熊楠神社合祀に反対した理由に、神域であるからこそ開発を免れ、貴重な自然が維持されてきた場所が失われる事を危惧した事も理由らしいですが、神前神社にアカテガニが大量にいる環境が維持されてきた理由は、ここが神域である事も関係ある訳です(しかし他ならぬ三重県は神社合祀がかなり積極的に行われ、なんと9割!もの神社が消滅したという)…と推測したんですが、神前神社の歴史を調べてみたら、ここ小井戸口山山頂に遷座されたのは明治以降との事なので、それ以前は薪炭林として地元の人達によって木が刈られていたのかもしれない(資料がないので詳しい事は分かりませんが)。

神前神社の階段(参道)20171104
神前神社は100㍍近い高さの小井戸口山(こいどぐちやま)の山頂に鎮座する。故に参道は階段が長く続く。
神前神社の階段の巣孔20171104
↑階段の至る所にこういった孔があり、アカテガニの隠れ家として最適。

こんな季節だからアカテガニ、いるか?いないか?でしたがいました三個体のみでしたが。撮影したのはこの二個体で、あともう一個体は下のサワガニのすぐ近くにいました。

神前神社のアカテガニ♀20171104
↑↓気温が低いから動きが夏より鈍いけど、撮影には好都合。スウェットパーカー+長袖Tシャツだったけど、階段を上っていたら、そこそこ暑く感じられた。
神前神社のアカテガニ♂20171104

…結果としてですが、♂と♀、甲羅まで赤いタイプと甲羅がグレーで黄色が少し入るタイプと、♂♀性差、アカテガニの色のヴァリエーションを示すサンプルとしては、絶好の結果になりました。

神前神社20171104
↑山頂にある神前神社社殿。ここには許母利神社(こもりじんじゃ)・荒前神社(あらさきじんじゃ)も同座していて、伊勢神宮所管社125社巡りをする際、ここに来れば三社詣でた事になる。
神前神社社殿裏20171104
神前神社社殿裏。この画像では分かりにくいけど、海が見えています。

ここに棲むアカテガニはこの裏の海岸で放仔しているのか?と思って去年9月(これと同じ日)に神前神社のほぼ裏手の海岸に行ってみたんですが、アカテガニは一個体もいなかった。初旬とはいえ9月では遅かった?いや、ここはちょっと波が荒くて、アカテガニ的にも怖いから?その後(この時)『ここで放仔している?』と思わされるポイントがあったけど、そこは干潮の時でないと歩いて行けない。

神前神社社殿裏祭祀道具?20171104
↑社殿裏によく見たら、この画像のような素焼きの盃のような物がいくつか落ちていました。もしかして、ここはかつて祭祀が執り行われていて、これは祭祀道具?

上に『脱皮する時必要な淡水(小川)がある』と書きましたが、ここは本当に山から湧き出した綺麗な水が流れています。

神前神社の小川20171104

前回来た時も思いましたが、『これだけ綺麗な水が流れているならサワガニもいるのでは?』と思い探してみたら、やはりいました。採集済みのサワガニは先週も見ましたが、フィールドでサワガニを見たのは久しぶり。

神前神社のサワガニ20171104
↑この地域のサワガニは、甲羅が茶~黒、脚がオレンジのタイプで、愛知県と同じ。このサワガニ、発見した場所から撮影しやすい場所に20㌢㍍くらい移動させました。つまりこの写真はやらせ。

サワガニは水が綺麗なところにしかいない。言い換えると、水が綺麗なら大抵のところにいる。例え海のすぐ近くであっても。

以下はおまけ画像。

神前神社近くの柿20171104
↑神前神社参道入口近くの柿の木。葉が落ち、熟した実だけが残る晩秋の風景。
神前神社近くの地蔵尊20171104
↑柿の木の近くにあった地蔵尊像。
カルビ丼+海鮮スン豆腐20171104
↑この日の昼食。韓丼のミニカルビ丼と海鮮スン豆腐とキムチ。食べた場所は松阪店
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2017/08/20

『大阪南港野鳥園臨港緑地 夜のアカテガニ観察会』に参加してきた

大阪市内にある『大阪南港野鳥園』に多くのアカテガニが棲息していると知ったのは最近の事。そしてそこで、『夜のアカテガニ観察会』が2017年8月19日に催されると知って、『行ってみよう!』と思い立って行ってみました。なにしろ都市部で大規模なアカテガニ棲息地というのは、結構珍しいので。

17:30に展望塔会議室に集合して、アカテガニに関する基本的な事をレクチャーされた後、展望塔2Fで日が沈むまでしばし待ち、その後公園内で成体のアカテガニを観察し、更に普段関係者以外立ち入り禁止の干潟へと移動し、放仔を観察…というスケジュールでした。

展望塔からの夕日20170819
↑展望塔から望む夕日。ここでは望遠鏡でシギ類などを観察。

公園内で『アカテガニなど見た事もない』という人達と一緒にアカテガニを観察したり、写真撮りたい人のために捕獲したりしました。写真あまり撮ってないですが…。

野鳥園臨港緑地のアカテガニ1-20170819

野鳥園臨港緑地のアカテガニ2-20170819
↑このアカテガニは他の人が捕獲したもの。
野鳥園臨港緑地のアカテガニ3-20170819
↑後で確認したら、思ってた以上にピントが合っていない(^_^;)&ohの身長より高い場所まで木に登っていたアカテガニ。

で、肝心の放仔なんですが、昨日は一個体しか確認出来ませんでした(あくまで自分が確認出来た数ですが)。写真も撮れなかったです。アカテガニ放仔の瞬間を写真に収めるのは至難の業ですが、この時よりは、近い距離でゾエアが煙状にぶわっと広がる瞬間が見られたので、そういう意味では良かったです。昨日は大潮ではなかったし、公園内に出てきていたアカテガニも、講師の和田太一さんによれば普段より少なめだったそうなので、まぁ仕方がないと言えば仕方がないですね。

とは言え、大阪市内でありながら、少なからぬアカテガニが棲息している場所を直に見られたのは良かったです。

それにしても、この日のレクチャーでも聞いたし、以前淀川でカニ観察していた人も語っていたけど、大阪湾には、クロベンケイガニはいるけど、ベンケイガニ(赤くてアカテガニに似ているあれ)は何故かあまりいなくて、ここ大阪南港野鳥園でも見つかっていないという。ならば俺が…と思ったりもしたけど、プロの研究者が見つけられないものが、どうして&ohに見つけられようか…。
2017/08/09

『アカテガニ横断に注意!』の標識の近くでアカテガニ放仔観察

徳島県海部郡美波町の田井ノ浜海岸。

←田井ノ浜20170805
↑画像中央下に夏季だけ営業の臨時駅・『田井ノ浜』が見える。

全国でも屈指の透明度を誇る田井ノ浜海水浴場があり…

田井ノ浜海水浴場20170805
↑台風接近中だったので、波は荒め。

脇を通る道路には、『アカテガニ横断に注意!』の標識が建つほど夏季の道路はアカテガニが溢れかえっていたという。

アカテガニ横断に注意!20170805
この時も載せましたね。あれからもう4年…。

近くの民宿・明山荘の人によれば、数年前までは本当にうじゃうじゃとアカテガニが道路にいたそうですが、近年めっきり減ってしまったという(参考文献:海駅図鑑)。

それでも、まだまだそれなりにアカテガニはいるはず、と敢えてここ(田井ノ浜に流れ込む田井川)でアカテガニ放仔観察を試みる事に。が、田井川は橋から川までが思っていた以上に遠かった。撮影なんて、望遠レンズが無ければ無理無理。アカテガニはほぼ垂直のコンクリート護岸を降りて放仔するようだけど、これでは上からしか観察出来ない。アカテガニ放仔観察は出来れば小網代みたいにカニと相対する形でしたかった…。

田井川アカテガニ20170805
↑♀だけでなく、放仔を終えた♀を待ち構える♂も多数見られる。

そしてここ、田井川は徳島県下唯一のハマボウの群生地でもあるという(ハマボウは『鳴門市の花』に指定されているそうだけど、徳島県下唯一のハマボウ群生地が鳴門市じゃないってどういう事?)。

ハマボウ群生地20170805

田井川アカテガニwithハマボウ20170805
↑ハマボウの花も入るように撮った画像。

橋の上から懐中電灯で照らしながら放仔観察をした訳ですが(懐中電灯電池交換しておいて良かった)、体を激しく振って放仔してゾエア幼生がぶわっと煙状に広がる様子は、上からのアングルの方が分かりやすいですね(懐中電灯で照らさないと全く見えないけど)。この日6~7個体のアカテガニ♀の放仔を確認出来たけど、かなりの高率でゾエア幼生が煙状にぶわっと広がる様子が見えました。それが分かっただけでも大きな収穫かな?その後雨がパラつきだして、観察は打ち切りました。

※この記事の画像は全て2017年8月5日撮影。
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